毎月のガス代、いったい何に一番お金がかかっているのだろう?
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ガスは調理や暖房、給湯などさまざまな用途で使われますが、家計を圧迫するほどのガス代が何にかかっているのかを明確にしておくことは、節約の第一歩です。
ガスはどんな用途に使われる?
ガスは次の用途で使用されることが多いです。
- 給湯(お風呂・シャワー・洗面台・キッチン)
- ガスコンロ(調理)
- 暖房器具(ガスストーブ・ガスファンヒーターなど)
ガス代は何に1番かかる? ──お風呂の給湯が大きな要因
多くのご家庭で「ガス代が最もかかるのは?」と聞かれれば、「お風呂のお湯を沸かすこと」が筆頭に挙げられます。
湯船にお湯を張る量が多いほどガスを消費し、さらに追い焚きを頻繁に使うとガス代が高くなりやすいです。
シャワーも使用時間が長くなるほどガス消費量は増えます。
お風呂・シャワーの1回あたりのガス代比較
水量 | 都市ガス | LPガス | |
---|---|---|---|
シャワー 5分 | 約60L | 約25.05円/回 | 約52.47円/回 |
シャワー 10分 | 約120L | 約50.10円/回 | 約104.95円/回 |
シャワー 15分 | 約180L | 約75.15円/回 | 約157.43円/回 |
シャワー 20分 | 約240L | 約100.20円/回 | 約209.90円/回 |
浴槽 1杯 | 約200L | 約83.50円/回 | 約174.92円/回 |
※20℃の水を45℃まで温める場合で試算。実際のガス代は
- 給湯器の種類・効率
- ガス会社の料金体系
- 地域差(都市ガスの料金改定、LPガスの地域別単価)
- お湯の温度設定や水温
などによって変動します。
冬は夏の倍以上かかることも
寒い時期は水温が低く、湯温を上げるためにガスを多く使いがち。その結果、「夏の倍くらいガス代がかかった」というケースも珍しくありません。
シャワーの使い過ぎにも要注意
一般的にシャワー1分あたり約12Lのお湯を使います。家族全員が長時間使うと、その分ガス代が積み重なっていきます。
浴槽にお湯を1回ためた時のガス代
- 都市ガス:約83.50円
- プロパンガス:約174.92円
※ガス代 = (45-20)℃ × 200L ÷ (発熱量 × 熱効率80%) × ガス料金で計算。
都市ガス発熱量:10,750kcal/㎥、プロパンガス:24,000kcal/㎥。
都市ガス単価:143.61円/㎥(東京ガス一般料金B表・2024年9月)、
プロパン平均単価:671.7円/㎥ = (8,616円-1,899円)÷10㎥
(石油情報センター・関東10㎥平均料金)。
比較するとプロパンガスは高い印象!
単価が高いため、浴槽1杯分でも都市ガスより負担が大きくなりやすいのです。
プロパンガスを適正価格で利用したら?
使用量によっては、適正単価で契約していれば平均単価よりお得になる場合があります。
使用内容 | 水量 | 都市ガス (143.61円/㎥) | LPガス (385円/㎥) |
---|---|---|---|
シャワー 5分 | 約60L | 約25.05円/回 | 約30.07円/回 |
シャワー 10分 | 約120L | 約50.10円/回 | 約60.15円/回 |
シャワー 15分 | 約180L | 約75.15円/回 | 約90.23円/回 |
シャワー 20分 | 約240L | 約100.20円/回 | 約120.31円/回 |
浴槽 1杯 | 約200L | 約83.50円/回 | 約100.40円/回 |
適正単価と平均単価では、お風呂1回あたり120円以上差がつくことも。
日経新聞でも「適正価格は3割安い可能性」と報じています。
適正価格と平均価格に差が出る理由
平均価格は「公表されている小売価格」がベース
調査対象は全国約3,000店ですが、実際の販売店は約16,000店。
多くの場合、販売店が自ら公表した料金をもとに平均が算出されています。
石油情報センターQ&Aより
公表価格は高めに設定されがち
大手ほど「最安値を公表すると高い料金を払っている顧客から問い合わせが来る」ため、あえて高く掲載することも。空き部屋リスクがある集合住宅向け料金や、設備貸与契約の残存金込み料金が公表されるケースも多く、割高になりやすいのです。
実際の料金は契約内容で変わる
そのため、公表平均と適正価格には大きな開きが出ます。
各家庭の契約内容・設備状況によって実際の支払額は大きく異なります。
お風呂以外でガス代がかかるのは? 調理・暖房編
ガスコンロ(調理)
お湯を沸かすほどではありませんが、毎日の使い方次第では差が出ます。
一般的には短時間使用が多く、ガス代が急激に跳ね上がることは少ないでしょう。
暖房器具(ガスストーブ・ガスファンヒーター)
立ち上がりが早く暖まりやすい反面、長時間つけっぱなしや高温設定はガス代増の原因になります。
ガス代を節約する5つのポイント
- 給湯温度の見直し
設定温度を1〜2℃下げるだけでも大幅削減に。 - シャワーのこまめな止水
歯磨き・洗髪時は一旦止めるだけで効果大。 - 追い焚きより保温機能
機種の保温モードを活用してガス消費を抑制。 - コンロの火力調整
強火のまま放置せず、必要最小限に。 - 暖房設定の最適化
室温20℃目安+断熱対策で暖房費ダウン。
まとめ
ガス代が高いと感じたら、まず「どこで多く使っているか」を把握しましょう。
多くの場合はお風呂の給湯が最大要因。冬場は暖房器具も要注意です。
「ガス代がおかしい」と感じたら、使い方や契約内容を見直すのが近道。
特にプロパンガスは事業者比較で大幅節約の可能性があります。
シャワー時間の短縮や暖房設定の最適化など、今日からできる節約をコツコツ実践し、
快適な暮らしと家計のバランスをとりましょう。