11月のCPは635ドル(10月比10ドル上昇)
2024年11月のサウジアラムコCPは、10月の625ドルから10ドル上昇し、635ドルとなりました。
一方、10月のMB平均値は、9月の340ドルから66ドル上昇し、406ドルとなりました。
CPの上昇要因
中国を除く東南アジアの需要増とOPECプラスの減産継続
11月のCP上昇の要因は、主に以下の二つです。
- 東南アジアの需要増 中国経済の低迷は続いているものの、中国を除く東南アジアの輸出中心の経済回復が進んでいます。特に米国向けIT関連製品の需要回復が影響しています。
- OPECプラスの減産継続 OPECプラスが減産を続けており、これがプロパンガスの需給を引き締め、CPを10ドル押し上げました。
原油市況
イスラエルとイランの対立による原油価格の乱高下
イスラエルとイラン間での対立が、原油価格の急騰と急落を引き起こしました。
- 10月26日 イスラエルがイラン領内を空爆し、その報復としてイランの核施設や石油施設が攻撃される懸念が高まりました。このため、WTI原油先物価格は一時77ドルに急騰しました。
- その後の調整 バイデン政権の働きかけにより、報復攻撃は抑止的となり、11月12日現在ではWTI原油先物価格は68ドル前後で推移しています。
最近では、中国政府の景気刺激策への市場の失望感と、2025年に向けた供給増加の予測が影響を与え、WTI価格は70ドルを割る場面もありました。
LPガス市況
中国経済の低迷にも関わらず、東南アジアの需要増がCP上昇を促進
- 中国経済 世界最大のプロパンガス輸入国である中国の経済刺激策が効果を上げておらず、低迷が続いていますが、中国を除く東南アジアの経済回復がCP下落を阻止しています。
- 東南アジアの回復 東南アジアの経済成長率は高く、2024年には約4.6%の成長が見込まれています。これにより、プロパンガスの需給が引き締まり、CPは10ドル上昇しました。
米国MB市況
イスラエルとイランの紛争によるWTI原油価格の上昇がMB価格に反映
10月の米国MB平均値は、9月の340ドルから66ドル上昇して406ドルとなりました。
イスラエルとイランの対立が原因でWTI原油価格が上昇し、その影響でMB価格も高騰しました。
まとめ
2024年11月のCPは635ドルに上昇しました。
中国を除く東南アジアの需要増加とOPECプラスの減産継続が大きな要因です。原油市況では、イスラエルとイランの対立が価格を一時的に押し上げ、その後調整が入りました。今後、供給量増加の予測や中国経済の低迷がCPにどのように影響を与えるか注目されます。