10月のCPは625ドル(9月比20ドル上昇)
2024年10月のサウジアラムコCPは、9月の605ドルから20ドル上昇し、625ドルとなりました。
一方、9月のMB平均値は、8月の390ドルから50ドル下がり、340ドルとなりました。
CPの上昇要因
中国のPDH事業の回復と東南アジアの需要増加
10月のCPの上昇には、中国のPDH(プロパン脱水素)事業の回復と東南アジアでの需要増加が影響しています。
- PDH事業の回復 中国経済は引き続き低迷していますが、PDH事業の稼働率が回復傾向にあり、これが需給を引き締めました。
- 東南アジアの需要増 インド、インドネシア、バングラデシュなどの南・東南アジア諸国で需要が増加しました。
これにより、アジア市場は需給がタイトになり、CPは20ドル上昇しました。
原油市況
イスラエルとイランの対立が原油価格を押し上げ
9月28日にイスラエル軍がヒズボラの本部を空爆し、その後イランが報復として180発以上の弾道ミサイルを発射しました。この緊張の高まりを受けて、原油価格は急騰しました。
- WTI原油価格 10月1日、米国のバイデン大統領がイスラエルのイラン石油施設攻撃を支援する可能性を言及したことで、WTI原油先物価格は急騰。9月2日の69.81ドルから3日には73.31ドルまで上昇しました。
その後、14日現在ではWTIは74.28ドルと落ち着きを見せています。
LPガス市況
PDH事業回復とアジア市場の需要増加がCPを押し上げ
中国のPDH事業の回復に加え、東南アジアの需要増加がLPガス市場に影響を与えました。
これらの要因が相まって、プロパンガスの需給が引き締まり、CPは20ドル上昇しました。
米国MB市況
WTI原油価格の下落がMB価格に反映
9月の米国MB(モンテベルビュー)平均値は、8月の390ドルから50ドル下がり、340ドルとなりました。
- WTI原油価格の影響 9月のWTI原油先物価格は、平均69.55ドル/バレルで、8月の75.55ドルから6ドル(約7.94%)下落しました。この価格下落がMB価格に反映されています。
まとめ
2024年10月のCPは625ドルに上昇しました。
中国のPDH事業回復や東南アジアでの需要増加が需給を引き締め、これが価格上昇に寄与しました。
原油市場では、イスラエルとイランの対立が原油価格を押し上げ、一時的な急騰を引き起こしました。一方、米国MB市場ではWTI原油価格の下落によりMB価格は下がりました。